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2016年10月 4日 (火)

第1回琵琶湖保全再生施策研究「琵琶湖漁業から見た琵琶湖の生態系」

 県が今年度中に策定を予定している「琵琶湖保全再生計画」に対する提言づくりをめざす第1回研究会が97日、大津市内で行われました。この研究会は、滋賀自治体問題研究所と琵琶湖の水と環境を守る会とが共同して設置したものであり、第1回研究会では、元水産試験場長の藤岡康弘氏から琵琶湖漁業からみた琵琶湖の生態系保全について問題提起を受けました。

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【藤岡氏の問題提起】

 現在の琵琶湖の漁獲量は、明治時代の年間1000t程度からピークは3800tを経て現在1000tを切る状況となっている。量的には、同じ1000tでも、魚の種類は全く異なってきている。以前は、多種多様な魚がいてそれをとっていたが、現在は、アユが7,8割を占めている。高度成長の時代は、富栄養化の進行という問題が表面化してきたが、魚の餌となる動物プランクトンが増えたためか、漁獲量は増えたし、とった魚も売れた。

 漁獲量の変化という点で特徴的なのは、1990頃を境にすべての魚の漁獲量が減ったことがあげられる。その頃何があったか。1992年に水位操作規則の変更が行われ、それまで±mを基本にして水位操作が行われていたものが、非洪水期は+0.3m、洪水期は-0.2m-0.3mにされた。特にモロコは、非洪水期から洪水期へ変わる時期に産卵するので、0.5mもの水位低下により卵が日干しになるなどの打撃を受けている。また、0.5mの水位低下は産卵場所の大幅な減少をもたらしている。人工的な水位操作は世界的にも問題になっているが、核心に迫る検討結果はない。現在の操作規則のどこがどう悪いのか明確に提言できない状況だが、十分な検討が必要な課題だ。

 内湖もかつての面積の15%に減少している。内湖の重要性は多くの研究者が指摘しているところだが、琵琶湖の生物相にどう影響しているのかは誰も検討していない。内湖の復活を進めるうえでも検討すべき課題のひとつだ。

 湖岸堤も琵琶湖と陸域を分断しており、私は国の委員会で湖岸堤の一部を撤去して湖岸堤の評価をきちんとすべきという提言を行っており、それは議事録にも残されている。湖岸堤の評価についても重要な検討課題の一つだ。

 琵琶湖の健全な生態系を保持するうえで、栄養塩とくにリンが北湖において足りなくなっているという指摘がある。どのように制御できるのか、すべきなのかについても検討すべき課題だ。

 水草の問題は、たとえば西の湖では、かつては水草でいっぱいだったが今は全くない。琵琶湖も今年は少ないようだが、レジームシフトと言って、気温や風などの気候要素が数十年間隔で急激に変化する現象なのかもしれない。

【今後の予定】

琵琶湖保全再生計画に関する学習会 914日(水)13:30~県庁北新館5C会議室

琵琶湖河川事務所へのヒアリング  9月末で日程調整中

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